中国の国名は、実は日本語だった
中国の正式名は、「中華人民共和国」といいます。「中華」とは、中国語で、漢民族が世界の中心にあり、周囲の民族よりすぐれているという意味があるそうです。しかし、「人民」と「共和国」は、日本で作られた和製漢語です。つまり日本語です。
漢字が中国から日本に伝わり、そこからひらがなやカタカナを作り出しました。その後も日本では漢字を使い続けていました。江戸時代の終わり以降、西洋の書物が日本に入ってくると、それを日本語に翻訳するわけですが、ここで大量の和製漢語が作られました。このころは外来語をそのままカタカナで表すということはしなかったみたいです。そして、明治維新後、日本に留学していた中国人学生たちが和製漢語を中国に持ち帰り、中国で使われるようになったというわけです。中国の近代化に日本語が必要不可欠だったのです。
基本的に中国語の単語は、漢字1文字なのだそうで、「殷・周・秦・漢・隋・唐・宋・元・明・清」など、国の名前も1文字です。2文字以上を組み合わせた熟語は、ほとんどが和製漢語。日本人から見ると、ひたすら漢字が並び、発音は中国風なので、さっぱりわかりません。そして、当の中国人ですら、今では和製漢語とは知らずに使っているのです。日常会話の7割が和製漢語で、専門用語になると9割が和製漢語だといわれています。
日本人にしてみたら「中華人民共和国」という文字列のどれもが漢字なので、日本語という意識はないし、熟語として日本で作られたものだとしても、そもそも漢字は中国で作られたものという感覚なのではないでしょうか。
ところで、さらに中国語を経由して(あるいは直接的に)、周辺の韓国語やベトナム語にも和製漢語が取り込まれました。北朝鮮・韓国・ベトナムは、漢字を使う国でしたが、戦後に漢字の使用をやめました。それでも単語としては残っています。韓国のニュースが字幕付きで流れるとき、漢字の部分が日本語に近い発音で聞き取れることがよくあります。おそらく和製漢語です。
漢字廃止でいえば、中国も漢字を廃止するため、第一歩として文字を簡略化。その後に漢字を廃止し、ピンインというローマ字を使う予定でした。漢字廃止を免れたのは、日本と同じくコンピュータの普及だったのかもしれません。
人口も多く、面積も広い中国が国を維持するために、漢字を使っていたことは歴史上重要な意味をもつともいわれています。発音が異なっていても文字で意思疎通ができます。対象的なのは、ラテン語を使っていたローマ帝国で、方言に応じて表記が変化したため、文字でも意思疎通が難しくなり、ローマ帝国の滅亡を加速させたという見方もあります。
漢字は文字自体に意味をもっていますが、発音は方言があり、標準中国語(北京語)と広東語では、英語とドイツ語ほどに違うといわれています。香港は広東語ですが、香港のすぐ隣にある中国のシリコンバレーといわれる深圳(シンセン)という街は広東省にあるのに標準中国語なので、ビジネスをするときは、通訳が必要なのだそうです。
